
更新日時
2025/7/22 08:14
公開日時
2025/4/3 01:42

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「ユーザーの本音が分からず、UI/UX改善が進まない」
そんな悩みを解決する、データに基づくユーザー調査の実践術
定量・定性8つの調査手法でユーザーニーズを正確に把握
アンケートからユーザビリティテストまで実践的な設計・実施方法
調査データをUI/UX改善に確実につなげる分析・活用術
240万人モニター活用実績に基づく効果的なターゲット選定術
「サイトやアプリのユーザビリティを向上させたいが、どのようにユーザーの本音や課題を把握すればよいか迷っている」──そんな悩みを抱えていませんか?
ユーザーの立場に立ってサービスを改善したいと思っても、どこから手を付ければいいのか分からず、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。現場の感覚だけでは捉えきれないニーズや改善のヒントを得るために有効なのが、ユーザーリサーチ(ユーザー調査)というアプローチです。
そこで重要になるのが、体系的なユーザー調査の実践です。定量調査と定性調査を適切に組み合わせることで、ユーザーの潜在的なニーズや課題を客観的に把握し、説得力のある改善施策へと確実に変換できます。
本記事では、240万人のモニターを活用したユーザーテスト実績を持つUIscopeの知見をベースに、アンケート調査やアクセスログ解析などの定量調査から、ユーザーインタビューやユーザビリティテストなどの定性調査まで、8つの主要な調査手法について、具体的な設計・実施方法と注意点を体系的に解説します。
この記事を読むことで得られるもの:
実践的な調査手法: アンケートからエスノグラフィまで、8つの手法の具体的な実施方法
効果的な設計術: 調査目的の明確化からターゲット選定まで、成功する調査設計のポイント
データ活用スキル: 定量データと定性データをバランスよく活用し、UI/UX改善につなげる方法
継続的改善サイクル: 一度きりの調査で終わらず、継続的にユーザー調査を行う体制づくり
実践的ノウハウ: 主観的評価の排除やステークホルダー合意形成など、よくある落とし穴の回避策
成功事例から学ぶ: ECサイトの購入率向上、モバイルアプリの離脱率低減の具体的改善プロセス
読了後には:
自社の課題に最適な調査手法を選択し、効果的な調査設計ができるようになります
「なんとなく使いにくい」という曖昧な感想を、「決済画面での離脱率が高いため、フロー改善が必要」といった具体的な改善提案に変換できます
データに基づく客観的な評価により、限られたリソースを最も効果的な改善施策に集中投資できます
社内でのUI/UX改善提案の説得力が格段に向上し、ステークホルダーとの合意形成がスムーズになります
決して「調査をやっただけ」で終わらせず、ユーザーに愛され続けるサービスを構築する組織文化を育んでいきましょう。
UI/UX改善に取り組む前に、まずは「UI」と「UX」の基本的な違いを正しく理解しておくことが重要です。
UIは「ユーザーインターフェース」の略称で、Webサイトやモバイルアプリなどでユーザーが直接目にする視覚的な部分を指します。
UIの具体例
画面デザインやボタンの配置
アイコンの大きさや色合い
テキストのフォントサイズ
ユーザーが実際に触れる操作画面の要素
一方、UXは「ユーザーエクスペリエンス」の略称で、サービスや製品を通じてユーザーが得る総合的な体験全般を意味します。
UXに含まれる要素
UIの美しさや分かりやすさ
操作の導線設計
ユーザーサポート体制
ユーザーが感じる満足度や使いやすさ
UIとUXは密接に関係していますが、まったく同じ概念ではありません。たとえUIが美しく整えられていても、使い方が分かりにくかったり、サポートが不親切だったりすれば、ユーザー体験は高まりにくいのが現実です。
そのため、ユーザーが実際にどのような状況でどのような課題を抱えているかを正しく理解し、UIとUXの両面から最適化を図ることが必要になります。この理解を深めるために有効なのが、次に説明するユーザーリサーチです。
ユーザーリサーチとは、ユーザーが製品やサービスにどのように触れているか、その際に何を感じているのかを客観的かつ体系的に把握するための調査手法の総称です。
ユーザーリサーチは大きく2つのアプローチに分けられます。
定量的な調査:アンケートのように数値データを集める手法
定性的な調査:インタビューによりユーザーの生の声を取得する手法
これらの調査結果を総合的に分析することで、以下のような価値が得られます。
潜在的なユーザーのニーズや自社サイト・アプリの課題を発見する糸口となります
調査による根拠をもとに実施した改善施策は、データの裏付けがあるため説得力が高くなります
客観的なデータに基づく提案により、社内的にも合意形成がスムーズに進むという利点があります
このように、ユーザーリサーチはUI/UX改善において、感覚的な判断ではなくデータドリブンなアプローチを可能にする重要な基盤となります。次章では、具体的にどのような目的でユーザー調査を活用すべきかを詳しく解説していきます。
関連記事: 「UI/UX」と顧客調査を活用した最適なユーザー体験づくり

ユーザー調査を効果的に活用するためには、まず「なぜ調査を行うのか」という目的を明確にすることが重要です。ユーザーリサーチには主に2つの大きな目的があります。
ユーザー調査を行う第一の目的は、ユーザーがどのようなニーズを持っているかを把握することです。現在のサイトやアプリに対して、ユーザー側が抱える具体的な不満や要望を客観的に明らかにすることで、潜在的な需要を見つける糸口となります。
欲しい情報を探しにくい
操作ステップが多すぎる
支払い方法が分かりにくい
社内の担当者だけで議論すると、どうしても自社目線の発想に偏りがちになります。そのため、ユーザーの生の声を聞いて、自分たちが予期していなかったニーズを探索することが重要です。
ユーザー自身が何を期待してサービスにアクセスしているかを把握できれば、その期待に沿ったUI構成や導線の設計、必要なコンテンツの充実を図ることができます。ユーザーが求めているものと現状提供しているものとの間にギャップがある場合は、早めに対処することが好ましいです。
こうした取り組みにより、利用者の満足度を高め、サービス全体の評価を向上させることが可能になります。
関連記事:UI/UXリサーチとは?ユーザー理解からデザイン改善まで実践的手法を完全解説

ユーザー調査を行うもう一つの大きな目的は、既存のUIやUXの課題を可視化し、改善点を明確化することです。
ユーザーは普段、画面上や操作フローのわずかな引っかかりを言葉にしてくれるとは限りません。しかし、実際にユーザー調査を行うことで、どの画面で離脱率が高いか、どの操作が分かりにくいかといった重要な情報を収集できます。
特に定性調査では、ユーザーがそのサービスを使ってどのような感情を持ったのか、なぜ離脱しているのかといった価値のある発見が期待できます。
問題点をはっきりと把握することは、限られたリソースの中でどこに重点を置いて改善を行うべきかを決める指針にもなります。
最終的な決済画面でボトルネックが生じているなら → 決済フローのUIを見直す
エラー表示が難解で問い合わせが増えているなら → エラーメッセージの言い回しやヘルプの誘導を改善する
ユーザー調査のデータが豊富であればあるほど効果的な打ち手が見えてくるため、施策に対する納得感が増して関係者全体の合意形成もスムーズに進みます。
このように、ユーザーリサーチは単なる情報収集ではなく、具体的な改善アクションにつながる戦略的な取り組みとして位置づけることが重要です。
ユーザーリサーチは大きく「定量調査」と「定性調査」の2つに分けられます。この章では、まず数値データを収集して統計的に分析する定量調査の4つの主要手法について詳しく解説します。
アンケート調査は、幅広いユーザーから定量的に意見を集める最も一般的な方法です。Web上でのオンラインアンケートや会場での紙ベース調査など、形態は多岐にわたります。
この手法の利点は、一度に多くのサンプル数を集められ、結果を統計的に分析できる点です。選択式の回答を用意すれば、質問項目ごとに数値化しやすく、傾向や課題の優先度を把握することができます。
ただし、質問内容や質問順序の設計を誤ると、回答者に意図しないバイアスがかかる可能性があります。また、回答率を上げるための工夫も重要です。
長すぎる設問や専門用語の多用は、途中離脱を引き起こしやすくなります。できるだけシンプルにまとめ、かつ回答者が安心して答えられるように、プライバシーへの配慮や調査の目的を明確に示すことが求められます。
アクセスログ解析は、ユーザーがWebサイトを訪問した際の行動履歴を数値として把握する手法です。どのページがよく見られているか、どのくらいの時間サイトを閲覧しているか、離脱したページはどれかなどを、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを活用して調べます。
ユーザーセグメントごとの行動の違いや流入元の違いなども詳細に分析することができるので、非常に有効で一般的な手法です。
この手法のメリットは、実際の利用データが蓄積されるため、利用者の本当の行動を大規模かつ客観的に把握できる点です。
しかし、数値として示される行動の背景には、ユーザーが何を感じたかという主観的要素も存在します。アクセスログ解析だけでは深いニーズや心理面は捉えづらいため、必要に応じて定性調査と組み合わせることが重要です。
関連記事:アクセス解析で分かることは?データの読み解き方からデータドリブンのUI/UX改善まで

ヒートマップ分析は、Webページ上でユーザーがよくクリックしているエリアや、カーソルを動かした範囲などを可視化する手法です。ページ内のどこが注目されているか、逆に見られていないエリアはどこかを直感的に捉えられます。
リンクやボタンが想定よりクリックされていない場合、その配置やデザインが分かりにくい可能性があります。
ヒートマップの情報は、UIの配置を見直すうえで大いに役立ちます。たとえば、ユーザーが思わずクリックしてしまうエリアや、スクロールしないで離脱してしまうポイントが一目で分かります。
ヒートマップ分析を行うことで、ユーザーが自然に注目する位置に重要なボタンを置く、余計な要素を削減して見やすいレイアウトを整備するなど、より戦略的なUI設計が可能になります。
ABテストは、現行のデザインや機能(A案)と、改修を加えたデザインや機能(B案)を実際に一定期間比較し、どちらがよりユーザーに好まれるか、あるいはビジネス目標を達成しやすいかを検証する手法です。
ビジネス目標によく用いられる指標としては、CVR(コンバージョン率)やクリック率などがあり、実際のユーザー行動をもとに数値的な評価が可能です。
この手法のメリットは、理論や推測ではなく実際のデータを用いて、デザインや機能の優劣を確認できる点です。たとえば、ボタンの色や文言を変更するだけでも、クリック率が大きく変わることがあります。
ABテストで得られた定量データを活用すれば、社内の意思決定において「どちらが正しいか」を議論する時間を短縮し、より効率的にUI/UXを最適化できるでしょう。
関連記事:「ABテストは意味がない」と言われる理由と成功パターンを徹底解説

定量調査は客観的なデータを提供してくれますが、「なぜその結果になったのか」という背景を理解するためには、次章で解説する定性調査との組み合わせが重要になります。
前章では数値データを収集する定量調査について解説しました。この章では、ユーザーの感情や背景を深く理解するための定性調査の3つの主要手法について詳しく解説します。
ユーザーインタビューは、調査対象者と直接話をすることで、ユーザーの潜在的なニーズや行動心理、具体的な不満点などを深掘りする手法です。少人数であっても、一人ひとりの話を丁寧に聞くことで、定量調査では見えてこないリアルな感情や背景を把握できます。
たとえば、アンケートで「使いにくい」と回答した方に対して、具体的にどの操作に不便を感じたのかを尋ねることで、的確な改善策を導き出すことが可能です。
インタビューの際には、聞き手が先入観を押し付けず、ユーザーが自然に話しやすい雰囲気を作ることが重要です。また、あらかじめインタビューシナリオを用意しておきながら、ユーザーの回答に応じて柔軟に聞き方を変える力が求められます。
インタビュアーの質がどれだけ深い回答を得られるかにも関わってくるため、必要に応じてリサーチ会社に依頼するとよいでしょう。
ユーザーインタビューで得られる情報は深みがある反面、サンプル数が少なくなりがちで、主観的意見も含まれるため、定量調査の結果と組み合わせて総合的に分析することがおすすめです。
関連記事①:デプスインタビューのメリット・デメリットとは?ユーザー調査で本音を引き出す完全ガイド

関連記事②:オンラインインタビューとは?UI/UX改善に活かす9つのステップと成功のポイント完全ガイド

ユーザビリティテストとは、実際にユーザーにサービスやアプリを操作してもらい、その様子を観察・記録しながら使い勝手を評価する手法です。指定されたタスクをこなしてもらう過程で、どの画面に何秒くらい留まったか、どのような迷いや戸惑いが生じたかなどを調べます。
ユーザーの実際の操作を観察することで、ユーザーが真に困っているポイントを具体的に把握することができます。
ユーザビリティテストを実施するときは、より自然な環境で普段通りに操作してもらうことが重要です。一般的に、タスクを用意してユーザーにこなしてもらいますが、そのなかでも普段通りに自由に操作できるような環境づくりをすることが必要です。
また、操作しながら分かりづらいポイントやその時々の感情を発信してもらう思考発話法も効果的です。その際、ユーザーが率直な意見を発言しやすくするために、予めラポール形成をすることも非常に重要になります。
このように、ユーザビリティテストでも、大きな効果を得るためには一定の経験とコツが必要となるため、必要に応じてプロに委託するのが良いでしょう。
また、ユーザビリティテストとインタビューは併せて行うことでより示唆のある回答が得られるため、一緒に行われることも多いです。
関連記事:オンラインユーザビリティテストとは?UI/UX改善を効率化する実施・分析手法完全ガイド

エスノグラフィは人類学などで用いられるフィールドワークの手法をビジネスの文脈に取り入れたもので、ユーザーの行動を直接観察して、その背景にある思考や文化を理解する方法です。
ユーザーインタビューやユーザビリティテストが「ユーザーとの対話」や「特定の課題の操作観察」を中心に行うのに対し、エスノグラフィではユーザーの日常シーンに深く入り込み、自然な行動様式を捉えることに重点があります。
具体的には、実際の生活現場に調査者が訪れ、ユーザーがどのようにサービスを利用しているか、どんな周辺環境や感情が作用しているかを直接観察します。
たとえば、ECサイトでの購買行動を調べたい場合、ユーザーが実際に自宅でスマートフォンを操作している様子を観察し、テレビを見ながら購入を検討しているのか、SNSで他者の評価を見比べているのかなど、リアルな状況を把握します。
エスノグラフィの結果は非常に深い洞察を得られますが、時間やコストがかかりやすいため、ニーズに応じて導入を検討することが望ましいです。
定性調査は、数値では表せないユーザーの本音や背景を理解するために欠かせない手法です。次章では、これらの調査手法を実際にどのように設計・実施すればよいかについて詳しく解説していきます。
ユーザー調査を成功させるためには、単に手法を選ぶだけでなく、体系的なプロセスに沿って進めることが重要です。この章では、調査の企画から結果の活用まで、5つのステップに分けて実践的な手順を解説します。
ユーザー調査を始めるにあたって、まずは何を明らかにしたいのかという調査目的を明確に定義することが大切です。たとえば、「新規ユーザーの初回利用時の離脱率を下げるために、どの画面に不満があるかを知りたい」など、具体的な課題と照らし合わせましょう。
調査目的があいまいだと、集めたデータがバラバラで分析が難しくなり、結局具体的な施策につながらない可能性があります。
調査目的を具体化する際には、社内の主要なステークホルダーと合意を取りながら進めることが望ましいです。開発担当者やデザイナー、マーケティング担当者、カスタマーサポートなど、それぞれが抱えている課題や求めるデータが異なるケースが少なくありません。
初期段階で総意を得ることで、調査結果が出た際に迅速に行動に移しやすくなります。
調査目的が定まったら、次に「誰を対象に調査を行うか」を考えます。たとえば、既存ユーザーと潜在ユーザーでは、見えてくるニーズや課題は全く異なる可能性があります。
自社のサービスが特定の業界や地域に特化しているのであれば、その背景を考慮して調査対象を選定する必要があります。
ターゲットの抽出方法としては、顧客データベースを活用して条件を絞り込む、SNSなどを通じて募集する、リサーチ会社に依頼するなど、さまざまな方法があります。
大切なのは、調査目的に合致したサンプルを集めることです。全く異なる属性の人たちを一括りで調査しても、得られた結果が意味を持たない場合があります。
UIscopeでは、約240万人のモニターを抱えており、多様な層をリクルーティングすることが可能です。ターゲットユーザーの選定においても一緒に検討させていただきますので、ターゲットユーザーの選定でお悩みの場合は一度ご相談ください。
ターゲットユーザーが決まったら、どのような調査手法を用いるかを最適に組み合わせます。たとえば、Webサイトの大まかな満足度や改善点を知りたい場合はアンケート調査が適していますが、具体的なUI上の操作感を深掘りしたい場合はユーザビリティテストやユーザーインタビューが有効です。
複数の目的を同時に達成したい場合は、定量調査と定性調査を組み合わせると良いでしょう。
調査手法が固まったら、実際にアンケート項目の作成やインタビューシナリオの作成などを行います。このとき、質問の漏れや重複がないか、調査目的にそっているか、などをチェックすることが重要です。
オンラインでの調査であれば、調査画面の動作テストも必要です。
準備が整ったら、いよいよ調査を実施します。
アンケート調査の場合は、回答率を高めるために必要十分な報酬やインセンティブ、アンケートの実施期間を設定しましょう。
ユーザーインタビューやユーザビリティテストの場合は、対象者とのスケジュール調整や環境設定が重要です。オンラインインタビューを行う際は、通信環境やツールの使い方など、事前に周知しておくとスムーズです。
調査の実施中には、調査目的を念頭に置きながら、参加者が安心して自分の考えを話せるように心掛けます。また、調査員自身の先入観で誘導してしまわないよう、客観性を保つことも必要です。
得られたデータはきちんと記録し、後で分析しやすい形で整理しておきます。
調査によって収集したデータは、必要な情報に応じて選別しながら総合的に分析します。アクセスログなどの定量データは、グラフや集計表を作成して数値面からの傾向を確認します。
ユーザーインタビューや行動観察などの定性データは、キーワードや行動パターンごとにグルーピングして整理すると、課題やニーズの共通点が把握しやすくなります。
分析結果を踏まえ、UI/UXへの改善策を具体化する段階で注意すべきポイントは、社内での合意形成と優先度の設定です。限られた開発リソースの中で、どの課題から手を付けるかを検討する必要があります。
また、調査データは一度使って終わりではなく、継続的に活用することで今後の開発や運用にも役立てることができます。
改善策を実施した後には、効果検証のための再調査も計画に組み込むと、長期的なUI/UX向上につながるでしょう。
このような体系的なプロセスに沿って調査を進めることで、単発の調査で終わることなく、継続的な改善サイクルを構築できるようになります。次章では、実際にユーザー調査を活用する際の重要な注意点について詳しく解説します。
ユーザーリサーチを実施しても、その活用方法を間違えると期待した効果が得られません。この章では、調査結果を確実にUI/UX改善につなげるために押さえておくべき3つの重要な注意点について解説します。
UI/UXの評価を行う際には、どうしても担当者やチーム内での主観的な意見が入りがちです。たとえば、「このデザインは美しいからきっと使いやすいはずだ」「自分は分かりやすいと感じるからユーザーも同じだろう」という先入観は、思わぬ見落としを招く原因になる可能性があります。
ユーザー調査を実施することで、感覚的な判断ではなく、実際のユーザーの声やデータに基づいた客観的な評価を行うことができます。
また、調査結果の解釈にも気をつける必要があります。データが示す数値やユーザーの発言の一部だけを切り取って結論づけると、また別の偏りが生じる恐れがあります。
複数のデータソースをつなぎ合わせ、全体像を把握する姿勢が大切です。
定量データは、数値で示されるため説得力があり、施策の優先度を決める際にも役立ちます。しかし、一方で「なぜその数値になったのか」という背景まで理解するのは難しく、深掘りしないと誤った分析に陥るリスクもあります。
そこで活躍するのが、ユーザーインタビューや行動観察などから得られる定性データです。ユーザーの具体的な声や行動パターンを知ることで、数値の裏にある理由を把握できます。
定量データと定性データを組み合わせることで、UI/UXに関する改善の方向性を多角的に検証できます。
たとえば、離脱率の高いページが特定された場合、その背景にある「ページ内の情報が理解しにくい」「ボタンの配置が分かりづらい」などの要因は定性調査から探り当てることが可能です。
こうしたハイブリッドなアプローチが、より確度の高いUI/UX改善へつながります。
UI/UXは一度改善したら終わりというものではなく、市場の変化やユーザーのニーズに合わせて絶えず進化させる必要があります。そのため、ユーザー調査も継続的に行うことが重要です。
サービスのリニューアルごとや新機能追加のタイミングなど、節目ごとに調査を実施する体制を整えておくと、改善の成果を評価しながらさらにブラッシュアップできるでしょう。
また、ユーザー調査を定期的に行うことで、問題が大きくなる前に早期に気づき、対処できるというメリットがあります。
特にモバイルアプリやオンラインサービスでは、競合も多く、ユーザーの期待値も日々変化します。定期的な調査を行い、使い勝手や要望の変化を捉えることが、サービスを選び続けてもらうための重要な要因になります。
継続的なユーザー調査により、常にユーザーの最新のニーズに応え続けることで、長期的なサービス価値の向上を実現できます。
これらの注意点を意識してユーザー調査を活用することで、単発の改善で終わることなく、持続的なUI/UX向上を実現できるでしょう。次章では、実際にこれらのポイントを踏まえて成功した具体的事例を紹介します。
前章までで解説したユーザー調査の手法や注意点が、実際にどのようにUI/UX改善に活用されているのか、2つの具体的な成功事例を通じて詳しく見ていきましょう。
あるECサイトでは、ユーザーが商品をカートに入れた後の購入率が伸び悩んでいました。商品への関心は高く、カートまでは到達するものの、そこから購入完了に至らないユーザーが多い状況でした。
この課題を解決するため、アクセスログ解析とヒートマップ分析を組み合わせて調査を実施しました。その結果、配送方法の選択肢が複数あり、その説明ページへの遷移が分かりにくいことが原因であることが判明しました。
さらに、ユーザーインタビューを行ったところ、「配送オプションの違いが分からず、結果的に購入を断念した」という声もありました。
この調査結果を受けて、以下の改善を実施しました。
カート画面から配送説明のページへスムーズに移動できるようUIを改善
配送オプションの特徴を簡潔にまとめた情報を追加
その結果、購入完了までのステップ数が明確になり、配送に対する不安が解消されたため、カート放棄率が大幅に低下し、最終的には購入率の向上につながりました。
これは、定量データと定性データの両面から問題点を洗い出し、ユーザーのニーズに応じたUI改善を実施した好例です。
あるモバイルアプリでは、新規ユーザーのチュートリアル中に高い離脱率が見られました。アプリをダウンロードしても、初期設定の段階で多くのユーザーが利用を中断してしまう状況でした。
アンケート調査によって、多くのユーザーが「初期操作が複雑で、何をすればいいのか分からない」という不満を抱いていることが分かりました。
そこで、ユーザビリティテストを実施して具体的な操作手順や画面遷移の様子を観察すると、初回起動時に表示される説明文が長過ぎて、ユーザーが読み飛ばしてしまうケースが多いことが判明しました。
このアプリでは、以下の改善を行いました。
チュートリアルの内容を必要最低限にまとめ、段階的に操作を覚えられるようにUI再構築
大事なポイントを一度に詰め込みすぎるのではなく、ステップごとに達成感を得られるよう設計
これにより、新規ユーザーの離脱を抑えることに成功しました。
これは、調査結果を踏まえて初期導入体験を徹底的に見直した成功事例といえます。
これらの事例に共通するのは、以下の要素です。
定量調査で課題を特定し、定性調査で背景を理解
企業側の想定とは異なる真の課題を発見
調査結果を踏まえた実践的なUI/UX改善の実施
改善後の効果を定量的に確認
このように、ユーザーリサーチは単なるデータ収集ではなく、実際のビジネス成果につながる重要な戦略的取り組みとして活用できることが分かります。
本記事を通じて、ユーザーリサーチがUI/UX改善において果たす重要な役割と、その実践的な活用方法について詳しく解説してきました。最後に、ユーザー調査を成功させるための核心的なポイントをまとめておきましょう。
ユーザーリサーチは、UIとUXを向上させるための極めて重要な取り組みです。調査を通じて、利用者が抱える課題や潜在的なニーズを把握し、それに基づいた改善を行うことで、サービス全体の満足度と価値を高めることができます。
調査手法には、アンケートやアクセスログ解析といった定量調査から、ユーザーインタビューやユーザビリティテストといった定性調査まで多岐にわたります。多面的なデータを組み合わせることで、より正確に問題点を洗い出し、具体的なUI/UX改善へと反映しやすくなります。
また、単発で終わらせず、継続的にユーザー調査を実施することが成功のカギになります。市場や競合の動きが早い時代だからこそ、常に最新のユーザーの声に耳を傾け、サービスを最適化する姿勢が求められます。
ユーザー調査を怠ると、企業目線だけの思い込みで設計を進める危険性があり、それではユーザー体験を向上させるのは難しいです。
ユーザー調査を計画的に行い、その結果を踏まえて施策を打ち、再度調査を実施して効果検証と次の改善につなげる――このサイクルを回し続けることが、UI/UX改善によるUX向上の生命線といえます。
自社のサービスが真にユーザーに愛され、使い続けてもらえるものであるために、ぜひユーザー調査を積極的に取り入れてみてください。
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